屋上で臭気筒のベントキャップが無くなっていた!錆による脱落の危険性と対策
屋上管理の際、「あれ?臭気筒の上にあったはずのキャップが無い!」という経験はありませんか?実は、経年劣化によるベントキャップの錆・脱落は、建物管理における深刻な問題の一つです。
本記事では、実際に施工したベントキャップ交換事例をもとに、錆による脱落問題とその対策について詳しく解説します。

ベントキャップ脱落の現実:屋上で起こる見えないトラブル
気づかぬうちに進行する劣化と脱落
ベントキャップの劣化は、日常的に屋上に上がる機会が少ないため、発見が遅れがちです。当社への問い合わせで最も多いのが、以下のような状況です:
- ベントキャップが錆びて朽ち果てていた
- いつの間にか屋上の床に落ちていた
- 臭気筒が開放状態になっていた
- 雨水やゴミ、虫の侵入が常態化していた
脱落したベントキャップがもたらす問題
画像1のように、ベントキャップが無くなった臭気筒は、以下の問題を引き起こします:
- 雨水の侵入
- 配管内部の腐食促進
- 排水システムの機能低下
- ゴミや落ち葉の侵入
- 配管の詰まり
- 排水不良による悪臭発生
- 虫や小動物の侵入
- 衛生問題の発生
施工事例:錆で脱落したベントキャップの交換工事
現場での発見状況
先日施工した事例では、築30年のマンションで以下の状況を確認しました:


- 鋳鉄製ベントキャップが完全に錆びて脱落
- 床に落ちたままの状態
- 持ち上げたら取れてしまった
- 雨水侵入により錆が加速していた
施工手順と注意点
1. 脱落したベントキャップの回収と現状確認
まず、落下したベントキャップを回収し、臭気筒の状態を確認します。この際のチェックポイント:
- 臭気筒本体の腐食状況(筒、ベントキャップの両方)
2. 新しいベントキャップの取り付け
画像2のように、新しいベントキャップを設置します。今回の施工では:
- アルミ製の軽量で耐久性のある製品を選択
- 防水材を使用して水密性を確保
- 固定部の締め付けを適切に実施
- 臭気筒内部の処理

主流のベントキャップ材質とその特徴
アルミ製ベントキャップ
- 軽量で取り扱いやすい
- 適度な耐久性と価格のバランスが良い
- 海岸近くでは塩害に注意が必要
塩ビ製ベントキャップ
- 最も軽量で安価
- 錆びる心配がない
- 紫外線による劣化がある
鋳鉄製ベントキャップ(既存品に多い)
- 重厚で安定性が高い
- 錆びやすく、定期的な塗装が必要
- 重量があるため、落下時の危険性が高い
ベントキャップ脱落を防ぐための予防策
定期点検の重要性
ベントキャップの脱落を防ぐためには、以下の点検が効果的です:
- 年1回の定期点検
- 台風後の臨時点検
- 錆や劣化の進行状況の記録
- 固定部分の緩みチェック
- 確認方法はベントキャップを軽い力で持ち上げてみてください
材質選びのポイント
脱落リスクを減らすためには、環境に応じた材質選びが重要です:
- 一般的な環境
- アルミ製が最適
- コストと耐久性のバランスが良い
- 海沿いや工業地帯
- 塩ビ製がおすすめ
- 腐食の心配がない
よくある質問と回答
Q. ベントキャップが無くなっているのに気づいたら、すぐに交換が必要?
A. はい、即時対応をお勧めします。雨天時の水の侵入は、配管システム全体に悪影響を及ぼす可能性があります。応急処置として、テープで固定するのも有効です。ただし、通気口を塞いでしまうと水が流れなくなったり逆流の恐れがありますので、お気を付けください。
Q. アルミ製と塩ビ製、どちらがおすすめ?
A. 一般的な環境ではアルミ製が耐久性と価格のバランスが良くおすすめです。ただし、海沿いや腐食性ガスの多い地域では塩ビ製が適しています。また、非塩害地域でも塩ビの方が安く施工は可能ですので、費用を抑えたい方は塩ビが適しています。
Q. DIYでの交換は可能?
A. ネジ部が腐食していなければ、特別な工具は必要ありませんので、ご自身で取り付け可能です。
まとめ:ベントキャップの脱落は「見えないリスク」
ベントキャップの錆による脱落は、日常的に気づきにくい「見えないリスク」です。しかし、放置すると建物の配管システム全体に深刻な影響を与える可能性があります。
定期的な点検と、劣化の兆候が見られた際の早期交換が、建物の長期的な維持管理において非常に重要です。材質選びも環境に応じて適切に行うことで、長期的なコスト削減につながります。
点検したことがないという方はぜひ、屋上に上がった際に持ち上げてみてください。
腐食が進んでいて簡単に取れてしまう場合があります。
当社では、臭気筒・ベントキャップの点検や交換工事を承っております。屋上での定期点検や、脱落したベントキャップの緊急対応も可能です。お気軽にご相談ください。
皆様からのお問い合わせをお待ちしております。

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