「コンクリート打ち継ぎ」とは?打ち重ねとの違いや継ぎ目処理の注意点を徹底解説
コンクリート打ち継ぎは、ビル・マンション・アパート・工場・倉庫などの建物工事で不可欠な工程です。本記事では「打ち継ぎ」と「打ち重ね」の違い、継ぎ目処理の方法、強度確保や止水対策のポイントをわかりやすく解説します。
目次
コンクリートの「打ち継ぎ」とは?
「打ち継ぎ」とは、硬化した既存のコンクリート面に新たなコンクリートを打設して継ぎ足すことを指します。一度に大面積のコンクリートを流し込むことが難しい場合や、施工計画上、意図的に継ぎ目(打継目)を設ける必要がある場合に行われる工程です。
ビルやマンション、アパート、工場、倉庫など、規模の大きな建物では、全てを一度に打設できず段階的に施工することが多々あります。その際、強度や耐久性、雨水侵入対策の観点から、打ち継ぎ箇所を丁寧に処理することが求められます。
「打ち重ね」との違い
「打ち継ぎ」と似た用語に「打ち重ね」がありますが、両者は以下のように異なります。
- 打ち継ぎ:既に硬化したコンクリート面に新たなコンクリートを打ち込むこと。時間的な間隔が空いており、表面処理や接合を意図的に行う必要がある。
- 打ち重ね:まだ硬化途中のコンクリート上に新たなコンクリートを流し込むこと。フレッシュな状態で一体化しやすいが、指定の時間内(外気温25℃未満で120分以内、25℃以上で90分以内など)に打ち終えることが求められる。
この区別を明確に理解し、施工方法を使い分けることで、構造物の強度と耐久性を確保できます。
コンクリート打ち継ぎ目の種類(水平・鉛直)
打継目には大きく分けて「水平打継目」と「鉛直打継目」が存在します。
- 水平打継目:一度硬化したコンクリート面の上部に新たなコンクリートを打ち込むケース。上面にレイタンス(表面の脆弱層)が発生しやすく、除去や表面処理を丁寧に行う必要があります。
- 鉛直打継目:既存コンクリートの側面に新たなコンクリートを打設するケース。収縮やひび割れの影響を受けやすく、モルタル敷きや接着剤の使用、止水板の挿入など工夫が求められます。
打ち継ぎ施工時の注意点
継ぎ目位置の選定
打継目は、構造的な弱点となる可能性があるため、なるべくせん断力や引張力の小さい位置に設けます。梁やスラブは、スパン中央付近に鉛直打継目を入れるなど、設計段階から打継位置を慎重に計画します。
表面処理とモルタル敷き
打ち継ぎ面にレイタンスや脆弱層が残っていると、新旧コンクリートが密着しにくく、強度低下につながります。高圧洗浄やチッピング(はつり)で脆弱層を除去し、ポリマーセメントモルタルや接着剤を塗布して密着性を向上させることが重要です。
止水対策の重要性
打継目は雨水や地下水が侵入しやすい箇所です。止水板や膨張性止水材を適切に配置し、漏水・雨漏りを防ぐ対策をとります。これにより、長期的な耐久性と建物の健全性を維持できます。
打ち継ぎ不良がもたらすリスク
打ち継ぎ処理が不十分な場合、以下のような問題が生じます。
- 強度低下:新旧コンクリートの一体化が不十分で、構造的弱点を形成。
- 雨漏り・水漏れ:止水処理不足により、建物内部への水侵入が発生。
- ひび割れ・剥離:劣化が進行し、外壁や床面のクラック発生、タイル剥離などの不具合。
これらは建物の寿命短縮や修繕費用の増大につながります。
打ち継ぎ面のメンテナンス・点検の重要性
建物の竣工後も、定期的なメンテナンスや点検を行うことで、打継目周辺に劣化や水漏れが起きていないか確認できます。早期発見・早期対処により、大がかりな改修工事を避け、コスト削減や安全性確保につながります。
専門業者に依頼するメリット
コンクリート打ち継ぎは専門的な技術・知識が不可欠です。豊富な実績を持つ専門業者に依頼することで、最適な止水材の選定や表面処理、施工時期・方法のアドバイスが受けられ、長期的な品質・安全性を確保できます。
当社はビル・マンション・アパート・工場・倉庫など、多様な建物の改修工事経験が豊富です。現地調査・見積りは無料で承っておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
「打ち継ぎ」はコンクリート構造物を段階的に施工する際に欠かせない工程です。
「打ち継ぎ」と「打ち重ね」の違いを理解し、継ぎ目位置や表面処理、止水対策に注意することで、強度と耐久性、雨水浸入防止を確保できます。
適切なメンテナンスや専門業者への依頼により、建物の寿命を延ばし、安全で快適な居住・利用環境を実現しましょう。
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